保護猫の中には、疾患があり専用のフードしか食べられない猫たちがたくさんおります。
ご承知のように療養食は安くはありません。
保護猫の頭数が多いため、残念ながら十分に行き渡ることができず結果、症状が悪化してしまうこともあります。
疾患のある保護猫のケアができるよう、療養食のサポートをお願いいたします。
サポート方法
現物支援
- Amazonほしい物リストから支援
- 現物を施設宛に送って頂いても構いません。
皮膚病の子サポート支援
ピーチ♀ | 過敏性皮膚炎 |
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ウツボ♂ | |
クーさん♂ | |
エビス♀ | |
ぷに♀ | |
ハック♂ | |
兄ちゃん♂ | |
柏木7番♂ | |
柏木11番♂ | |
カトちゃん♂ | 好酸球皮膚炎 |
レーズン♂ | |
柏木Aちゃん | 天疱瘡(自己免疫疾患) |
この子達には下記の療法食を与えています
- ロイヤルカナン 低分子プロテイン
- ピュリナワングレインフリー
皮膚について
- アレルギー
食べ物、紫外線、などにアレルギー反応を起こすことで皮膚病を発症します。 - ストレス(心因性)
引越しなどの環境の変化でストレスがたまることで、皮膚病を発症することがあります。 - 自己免疫疾患
天疱瘡など。顔面(口と眼の周囲・鼻筋)・耳介・体幹に痂皮・紅斑・丘疹・膿疱・脱毛・鱗屑・ビラン・潰瘍などが現れます。
アトピー性皮膚炎によく似ている- 皮膚糸状菌皮膚炎
糸状菌という真菌 - 寄生虫
全身にかゆみとフケが起こるツメダニ感染や、耳のかゆみと炎症が起こります。
下痢の子サポート支援
ローリエ♀ | IBD |
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ゴージャス三毛♀ | |
ルイ♀ | |
角さん♂ | |
すぎちゃん♀ | 白血病 |
マーチ♀ | 小腸切除 |
この子達には下記の療法食を与えています
- Vet Solution キャットフード 胃腸サポート
- ロイヤルカナン 消化器サポート可溶性
- ヒルズ 腸内バイオーム(繊維/消化ケア)
下痢について
下痢と言っても原因や状況はさまざまです。下痢となる代表的な原因をあげてみました。
- ウイルス・細菌
パルボウイルスやコロナウイルス、サルモネラ菌・大腸菌などの細菌も下痢を引き起こす原因となります。ウイルスはワクチンによって感染を予防することが大切。餌や水を入れる器も清潔にしましょう。 - 毒物・薬物
殺虫剤や殺鼠剤、鉛、ある種の植物などを口にして中毒を起こします。激しい下痢、血便、嘔吐、痙攣をともなう場合は大至急動物病院で解毒処置や胃の洗浄などを行う必要があります。 - アレルギー反応
食べものの中に含まれる特定の物質に対し、アレルギー反応を起こして下痢になることがあります。獣医師の診察を受け、アレルギーに対応した食事を与えるようにします。 - 寄生虫
寄生虫がお腹の中にいると下痢を起こすことがあります。寄生虫が長く寄生していると下痢が長引いてしまい栄養状態が悪くなり食べても痩せてきます。検便で寄生虫がいることが分かったら、駆虫薬を使って寄生虫を駆除します。 - IBD(炎症性腸疾患:自分の腸を攻撃する原因不明の自己免疫疾患)
IBD(炎症性腸疾患)とは、自分の免疫で自分の腸を攻撃してしまう病気で、腸粘膜が炎症を起こして栄養分を十分に吸収できなくなります。進行すると、腸粘膜からタンパク質がどんどん漏れ出し、腹水がたまったり低タンパク血症を起こすこともあります。
原因は明らかではありませんが、遺伝性、食物アレルギー、細菌感染などの複合的な関与が疑われています。
低アレルゲン食による食事療法。症状が治まらない場合は、食事療法と並行して、ステロイド剤、抗炎症剤、抗生物質などを投与して炎症を抑えます。完治は難しく、食事療法と服薬で様子を見ながら症状をコントロールしていくことになります。 - ストレス
猫はとても繊細な動物です。餌を変えた、環境がかわったなどでもストレスによる下痢嘔吐になる子がいます。
歯肉炎(抜歯済み)の子のサポート支援
あくろ♀ |
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ラム♂ |
エクレア母さん♀ |
サンクス♂ |
ハム♂ |
ローズ♀ |
母白♀ |
とらじろう♂ |
はまち♂ |
アメジスト♀ |
息子♂ |
この子達には下記の療法食を与えています
- 健康缶エイジングケア
- カルカンパウチ(マグロorカツオ)
歯肉炎になる原因
歯肉炎の原因は歯垢や歯石の中の細菌とされています。細菌の出す毒素によって歯肉炎が起こり、さらに進行すると歯の根元の歯周組織にまで炎症が拡がり歯肉炎になります。
糖尿病、猫白血病ウィルス(FeLV)感染症や猫免疫不全ウィルス(FIV)感染症などによって、免疫力が低下し歯肉炎なりやすくなります。
尿路結石のサポート支援
柏木組18頭 |
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パルム♂ |
トーン♂ |
菜なし♂ |
栗♂ |
尿路結石になるのを防ぐ為、全頭に下部尿路のケア食を与えています
- ロイヤルカナンphコントロール2
- コメリ 猫貴族 下部尿路の健康ケア
尿路結石
猫の尿路結石症には、尿がアルカリ性に傾くことでできる「ストラバイト結石」と、酸性に傾くとできる「シュウ酸カルシウム結石」があります。これらは食事の偏りが原因で起きるといわれています。猫自体が元々あまり水を飲まない動物なので、尿が濃くなりやすいということも原因として挙げられます。またオス猫の場合、尿道が細いので尿石が詰まりやすく症状が重くなる傾向にあります。
結石が尿道に詰まっている場合は、尿道口からカテーテルを入れて尿道を洗浄し、詰まっているものを流し出します。状況によっては外科的対応や入院して静脈点滴等の治療が必要となることがあります。
尿路結石は遺伝的な要素もあります。ヒマラヤン、アメリカンショートヘア、スコティッシュフォールド、ロシアンブルーは尿路結石になりやすいとされています。
何度もトイレに行き、長い時間トイレから出てこない。オシッコにキラキラが見られる。
このような様子が見られたら直ぐに動物病院に連れて行くことをお勧めします。
一度、結晶や結石を確認された場合は食事の見直しが必要になります。療法食や外科手術によって完治しても、食事を根本的に見直さなければ再発を繰り返すことが多いといわれています。
一般に販売されているフードにも「尿路結石対策」がとられたものを多くありますのでこちらを食べさせてください。
療法食も市販されていますが、療法食には予防に適したもの、治療中に食べるもの、そして完治後に問題ない尿を維持するためのフードがありますので自己判断で食べさせるのは危険なので、動物病院に必ず相談しましょう。
尿を濃くしないために、普段から水をたくさん飲めるような環境と、オシッコを我慢せずにすむように、常にトイレは清潔を保つようにしましょう。
柏木組(柏木は町名から付けました)
多頭飼育になるまでの経緯
2017/8/22
保健所・胆振振興局の仲介により、多頭飼育崩壊のスコティッシュフォールド65頭を当会で受け入れました。
空き家になっている家には当初76頭の置き去りになっていた猫達がいました。
(内、11頭は衰弱が激しく回復の見込みがないとされ、殺処分になりました。)
今から10年前…元飼い主はペットショップから3匹のスコティッシュフォールドを迎え入れました。
避妊去勢をせず近親交配で100頭以上の多頭にあっという間になったと思います。
最初は可愛い可愛いでお世話し、子猫が生まれまた可愛い可愛い…多分可愛いがっていたのは最初の10頭くらいではないかと推測します。
20、30頭になってくると、餌、トイレ掃除、自分達の生活空間のお掃除さえままならなくなっていったのでしょう…(10頭の時点で避妊去勢も膨大な金額となるので、手が付けられなくなったとのこと。)
こうして、近親交配で増え続ける子達を見て見ぬ振りをしてきた結果、この子達を置き去りにし元飼い主は引っ越して行きました。
置き去りにした子達に、週一で餌と水を与えに来ていたそうですが、週一の餌…あっという間に平らげてしまいます。元飼い主が引っ越して半年間週一の餌で凌ぎ、置き去りにされた子達は痩せ細り、力尽きた子達は生きていく為に兄弟達に食べられる。想像を絶するような過酷な状況に放置されていました。
この多頭飼育放棄された家の近隣の住民の方々が、異臭と共喰いの場面を目の当たりにし、胆振振興局、室蘭市、警察が入ることとなりました。(この事件は新聞、ニュースでも取り上げられました。)
救済・受け入れ
新聞でも報じられましたが、76頭の猫達は当初「ゴミ」扱いになり、保護ではなく殺処分の為の捕獲が繰り広げられていました。
どんどん連れ出されケージに何頭も入れ保健所に積まれていったそうです。
保健所と胆振振興局の担当の方々で話し合い、一縷の望みを掛けて当会に受け入れの相談がきました。
殺処分されると聞き、当時は100頭の保護猫達がいて満床状態でしたが、早急に部屋を整え全頭引き取りました。
現在の柏木組っ子達
当会で受け入れた当時は、骨皮、毛は毛玉でボロボロ、無表情、ゴロスリも遊ぶこともできない子達。餌や水はあっという間に平らげ、1ヶ月以上はただただひたすらに食べていました。被毛も抜け変わるまで何ヶ月もかかりました。
現在は、あのガリガリはいずこ?と言うくらい丸々!オモチャや猫じゃらしで遊ぶ姿も可愛く、猫らしくなりました。
スコティッシュフォールドの特有の病気と近親交配のリスク
スコティッシュフォールド特有の病気に「尿路結石」があります。引き取ったうちの18頭が「尿路結石」で治療、入院、手術等を受けています。完治後も、療法食が必要な子、また、結石を作らない為に下部尿路のケア食を与えています。